石材店・石・建築石材『全国建築石材工業会』
 


汚れの種類とその原因
石材の汚れを防ぐには
石メンテナンス・TOP




(1)濡れ色
石材の表面に水がかかると、色が少し濃くなる。表面の牢隙が水で満たされて 光が乱反射しなくなるからである。乾燥すれば元の色に戻る。この現象を「濡れ色」と呼んでいる。表面にかかった水が石材に染み込んで濡れ色を呈した場合は、比較的短期問に乾燥するのであまり問題とはならない。しかし、長期にわたり水が作用すると、布材の内部まで浸透してしまい、なかなか乾かず、濡れ色が消えなくなる。外壁の幅木石材などによ くみられる現象である(表@)。

表@ 柱根石(御影石張り)1の濡れ色現象
●発生の状況 施工後半年経過で、柱の根石に足元から濡れ色が発生
●原因の推定 根石固定用のモルタルに含まれる水分が、毛細管現象によって石材に浸入したことにより表面に濡れ色が現れた
●予防処置 浸透型吸氷防止剤による裏面・表面処理。処理前の石材の含水率、およぴ処理後の養生時問に注意する
●修復方法 遠赤外線バーナーによる水分除去後、浸透型吸水防止剤で表画処理 を行い、再発を防ぐ

(2)エフロレッセンス(白華)
濡れ色は、水に不純物が溶け込んでいなければ、乾燥とともに消える。 しかし、モルタルやコンクリートの成分である水酸化カルシウムなどが溶け込んでいると、水分が蒸発したあとに水酸化カルシウムの結晶が残り、石材の表面 に白い汚れが付く。始めのうちは濡れ色現象だが、繰り返しているうちに白い汚れが目立つようになる。これを「白華」 とか「エフロレッセンス」と呼ぶ。 達築の構造部分は主としてコンクリー トやモルタルでできているので、この現象が発生しやすい(表A)。 
表A 植栽廻りの床(御影石張り)のエフ□レッセンス
●発生の状況 湿式工法(バサモルタル)による内部床で、 目地よりエフロレッセンスが発生
●原因の推定 外部植栽の水が地中から内部床御影石の裏面 に回り、セメントと水との反応によって生じる水酸化カルシウムを含んだ水が毛細血管現象によって石材内部に侵入した。その後石中の水分が床表面に上がって空気中の炭酸カルシウムと反応し、蒸発となった。石材が薄く、目が粗かったことによると思われる
●予防処置 浸透型吸水防止剤によ る裏面・表面処理。処理前の石材の含水率、 および処理後の養生時間こ注意する
●修復方法 遠赤外線バーナーによる水分除去後・浸透型吸水防止剤で表面処理を行い、裏面から浸入した水分を表面下で止める。ただし、浸透型吸水防止剤の養生期間(約72時問)内に再度水分が表面まで達した場合には効果がなくなるので注意する。植栽を一時的に移動したり、 雨水から養生するなどして修復できる可能性もある