石材店・石・建築石材『全国建築石材工業会』
 


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次に工法のポイントについて解説したい。まず、湿式工法について、RC体 を前提に解説する。

(1)使用できる石のモジュール

RC造に隈らず、湿式工法は避けた方がよいのだが、鉄平石のような乱張りでなおかつ薄い石は、施工単価や仕上がりの関係からどうしても在来工法であるモルタル張りになってしまう。せめて、あまり高所には採用しないようにしたい。単価さえ折り合えば、エポキシ系の接着剤による圧着張りの方が耐震性は高いと思われる。適用可能な石のモジュールは、重量からいえば薄い方がよく(20o厚以下)、大きさも1枚あたり0.1〜0.2uくらいを目安にするとよい。

(2)剥落防止のポイント
モルタル材は、使用する石材によって砂:セメント比を3:1〜4:1くらい で使う。エポキシ系接着剤はマニュアルを厳守(オープンタイム、下地と石裏の清掃、混合比、攪拌など)すれば問題ないが、すべての項目についてマニュアル通りにできないのが現実だ。その点を考慮しても、接者剤はモルタルの2倍くらい信頼性があると思う(あくまで筆者が変史などで剥がしたときの印象)。モルタルの信頼性は、使用する石種など各種条件でかなりバラツキがあって一概にはいえないが、あまり高いとはいえない。なお 、引き金物を使用できるような厚み(20o以上)の石は湿式工法を使用すべきではないので、ここでは説明を省く。

(3)白華防止のポイント
白華防止のポイントは、モルタル中のセメントの割合をできるだけ低くすることである。裏面処理はそれなりの効果はあるが、施工単価がかなり高くなる。

(4)目地の考え方
湿式工法は乱帳りの施工が多いので、モルタル目地で仕上げも刷毛目地か洗い目地のままとなる。 なお木造、鉄骨造の場合も基本的な考え方はRC造と同じである。RC造と違うのは、下地をどうするかという1点だけである。木造や鉄骨造の下時は、単価も含めてブロック下地が最適である。設計段階で石張りの部位だけRG造にしておくとなお理想的だ。ラス地やラスカット下地は、将来的に下地が腐ってしまう可能性が大きいことや外力を受けたときに下地が振動するので推薦できない。