汚れの種類とその原因【濡れ色】

石材の表面に水がかかると、色が少し濃くなる。表面の牢隙が水で満たされて光が乱反射しなくなるからである。乾燥すれば元の色に戻る。この現象を「濡れ色」と呼んでいる。表面にかかった水が石材に染み込んで濡れ色を呈した場合は、比較的短期問に乾燥するのであまり問題とはならない。しかし、長期にわたり水が作用すると、布材の内部まで浸透してしまい、なかなか乾かず、濡れ色が消えなくなる。外壁の幅木石材などによ くみられる現象である(表①)。

表① 柱根石(御影石張り)の濡れ色現象
●発生の状況    施工後半年経過で、柱の根石に足元から濡れ色が発生
●原因の推定根石固定用のモルタルに含まれる水分が、毛細管現象によって石材に浸入したことにより表面に濡れ色が現れた
●予防処置浸透型吸氷防止剤による裏面・表面処理。処理前の石材の含水率、および処理後の養生時問に注意する
●修復方法遠赤外線バーナーによる水分除去後、浸透型吸水防止剤で表画処理を行い、再発を防ぐ

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