【エフロレッセンス】(白華)

濡れ色は、水に不純物が溶け込んでいなければ、乾燥とともに消える。 しかし、モルタルやコンクリートの成分である水酸化カルシウムなどが溶け込んでいると、水分が蒸発したあとに水酸化カルシウムの結晶が残り、石材の表面 に白い汚れが付く。始めのうちは濡れ色現象だが、繰り返しているうちに白い汚れが目立つようになる。これを「白華」 とか「エフロレッセンス」と呼ぶ。 達築の構造部分は主としてコンクリー トやモルタルでできているので、この現象が発生しやすい(表②)。

表② 植栽廻りの床(御影石張り)のエフロレッセンス
●発生の状況    湿式工法(バサモルタル)による内部床で、 目地よりエフロレッセンスが発生
●原因の推定外部植栽の水が地中から内部床御影石の裏面に回り、セメントと水との反応によって生じる水酸化カルシウムを含んだ水が毛細血管現象によって石材内部に侵入した。その後、石中の水分が床表面に上がって空気中の二酸化炭素と反応し、蒸発してエフロレッセンスとなった。石材が薄く、目が粗かったことによると思われる
●予防処置浸透型吸水防止剤による裏面・表面処理。処理前の石材の含水率、 および処理後の養生時間こ注意する
●修復方法遠赤外線バーナーによる水分除去後・浸透型吸水防止剤で表面処理を行い、裏面から浸入した水分を表面下で止める。ただし、浸透型吸水防止剤の養生期間(約72時問)内に再度水分が表面まで達した場合には効果がなくなるので注意する。植栽を一時的に移動したり、 雨水から養生するなどして修復できる可能性もある

次頁 ■ 石材の汚れを防ぐには へ